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【非デザイナー必見】生成AIでイラストを作成する業務活用術|商用利用や著作権も徹底解説

【非デザイナー必見】生成AIでイラストを作成する業務活用術|商用利用や著作権も徹底解説
LON

「プレゼン資料に入れる画像、フリー素材サイトで探すだけで30分経っていた…」
「ブログのアイキャッチ、他社とかぶりたくないけれど、外注する予算もない…」

そんな経験、一度はありますよね。

私も以前は、ピッタリの画像が見つからず、妥協して「握手しているビジネスマン」のよくあるフリー素材を使っていました。

しかし、生成AIを使えば、その悩みは「秒」で解決します。

今や、デザインの知識がゼロでも、言葉(プロンプト)を入力するだけで、プロ級のイラストを作成できる時代です。

ただ、ビジネスで使うには「著作権」や「商用利用」のルールを正しく理解していないと、後で痛い目を見るリスクもあります。

この記事では、非エンジニアの私が実際に業務で活用しているツールや、失敗から学んだ「狙い通りの絵を出すコツ」を、専門用語なしで徹底解説します。

この記事でわかること
  • 生成AIでイラストを作成する具体的な手順とおすすめツール
  • ビジネス利用で絶対に押さえるべき「著作権」と「商用利用」の壁
  • 「指がおかしい」「文字が謎」などの失敗を防ぐプロンプト術
ツール名特徴・強み商用利用おすすめ度
DALL-E 3
(ChatGPT Plus)
会話形式で修正可能。
初心者でも扱いやすい。
★☆☆
(日本語OK)
Adobe Firefly著作権的にクリーン。
Adobe製品との連携が最強。
★★★
(企業向け)
Midjourney圧倒的な芸術性とクオリティ。
操作はDiscord経由。
(Web版もα公開中)

(プランによる)
★☆☆
(玄人向け)
Gemini
(Google独自モデル)
細部まで精密な制御が可能。
リアル・アニメ調に強い。
モデルによる
(要確認)
★★☆
(品質重視)

【基礎編】生成AIイラストのメリットと商用利用・著作権のリスク対策

【基礎編】生成AIイラストのメリットと商用利用・著作権のリスク対策

まず、「なぜ今、ビジネス現場で画像生成AIが導入されているのか」を整理しましょう。

単に「絵が描けるから」ではありません。
業務フローそのものを短縮できるからです。

コスト削減とスピード:イラスト作成の外注費をゼロにする

通常、イラストレーターにカットイラストを1点依頼すると、数千円〜数万円かかります。

納期も数日必要ですよね。

生成AIなら、月額数千円(あるいは無料)のツールで、1分間に数パターンの案を出してくれます。

私の場合、記事のアイキャッチ画像作成にかかる時間が、以前の「素材探し30分」から「生成プロンプト作成3分」へと、約1/10に短縮されました。

つまり、空いた時間で記事の中身をブラッシュアップできるということです。

絶対に知っておくべき「著作権」と「商用利用」のルール

ここが最も重要です。

「AIで作った画像は誰のものか?」という問題です。

現時点での一般的な解釈(および主要ツールの規約)では、有料プランなどで適切に生成された画像は「商用利用が可能」とされています。

しかし、注意点があります。

重要ポイント
  • 既存のキャラ名などを指定しない:「ミッキーマウス風の〜」などとプロンプトに入れると、著作権侵害のリスクが極めて高くなります。
  • ツールの規約を確認する:無料版では商用利用不可(個人利用のみ)としているツールも多いです。

※各ツールの規約は頻繁に更新されるため、必ず最新の利用規約をご自身で確認してください。

安全性を重視するなら選ぶべきツール(Adobe Firefly等)

企業で導入する場合、私が最も推奨するのはAdobe Fireflyです。

Fireflyは、Adobeが権利を持つストック画像(Adobe Stock)のみを学習データに使っているため、「他人の著作権を侵害するリスク」が構造的に極めて低いのが特徴です。

「コンプライアンス的にAI利用が厳しい」という会社でも、Fireflyなら通ったという事例をよく耳にします。

【実践編】生成AIでイラストを思い通りに操るプロンプトのコツ

【実践編】生成AIでイラストを思い通りに操るプロンプトのコツ

ここからは、私が普段使っているChatGPT (DALL-E 3)Gemini (旧Bard)を例に、実際にどうやってイラストを作成しているか解説します。

DALL-E 3の良いところは、日本語で友達に頼むように指示が出せる点です。

友達に頼むように指示が出せるといっても、軽く頼んでくる友達と丁寧にお願いしてくれる友達だと、受ける側のやる気も変わりますよね。

AIへの指示出しも同じことが言えます。

ChatGPT(DALL-E 3)で言葉から画像を作る具体的なフロー

手順はシンプルです。

ChatGPT(Plus推奨)を開き、チャット欄のプラスボタンを押して「画像を作成する」を選択する。

そして、以下のように頼むだけです。

「ブログ記事のアイキャッチ画像を作ってください。テーマは『AIによる業務効率化』です。」

実際に出力された画像がこちらです。

ChatGPT(DALL-E 3)でプロンプトを指定せずに生成した失敗例のイラスト
プロンプト未使用の画像

正直なところ「なんか違うな…」という画像ですよね。
画像は出力されるのですが、これじゃあ使えません。

そこで、私が使っているChatGPTでも「失敗しないための型」をご紹介します。

本当に有料級です。
出力される画像が劇的に変わるプロンプトをはじめて公開します。

📋 コピペ用プロンプトの型

以下の条件でリアル画像を作成してください。

【役割】※固定
プロのイラストレーター

【テーマ】
近未来のオフィス空間で、人間のビジネスパーソンとAndroid風の人型ロボットが協働して働く様子

【目的】
Webサイトのヘッダービジュアル(ファーストビュー)

【画風】
フラットデザイン寄りのミニマルテイストを基調としつつ、写実的な質感を持つ高精細描写。青と白を基調としたコーポレートカラーで、クリーンかつ未来的な雰囲気を演出する。

【構図】
画面中央にノートPCとビジネスパーソンを配置し、その左右にAndroid風ロボットと他のビジネスパーソンを配置する。3名+ロボットが自然に協働している構図。背景には中程度の情報密度でホログラム状のAI分析UI(チャート、グラフ、AIアイコンなど)が浮かび、未来的な業務風景を示唆する。

【空間】※固定
3Dで奥行きがあり立体的な描写になるようにする。

【人物】
男女混在の3名構成。全員スーツ着用でビジネスシーンにふさわしい自然な表情。前向きで業務に集中している様子。Android風ロボットは人間に近い造形だがキャラクター性を排し、ビジネス支援デバイスとしての存在感を持たせる。

【背景】
大きな窓から光が差し込む明るく開放的な近未来オフィス。無駄のない空間設計と高機能的なデジタルUIが共存し、DX推進型ワークスペースの雰囲気を醸成する。

【色調】
白と青を基調にした爽やかでクリーンなトーン。過度に派手な色は使用せず、近未来感と信頼性を両立させる。

【質感】
写実的かつ高精細な質感。未来的な光の演出や反射表現を用いるが、過度にSF的にならないようビジネス現場として成立するリアリティを担保する。

【キーワード】
AI、業務効率化、データ分析、未来の働き方、DX、協働、スマートオフィス

【アスペクト比】
16:9(横長)

【解像度】
1920×1080以上の高精細、可能であれば4K/8K相当

【禁止事項】
キャラクター風の描写、奇抜な色遣い、過剰なSF表現、現実離れしたポーズや表情、不要なノイズ

※ このプロンプトを使用する際は、【役割】と【空間】以外をお好みに調整してください。

上記のプロンプトで実際に作成された画像がこちらです。

ChatGPTで詳細なプロンプトを指定して生成した高品質なオフィスとロボットのイラスト
強化プロンプトを使用した画像

いかがでしょうか。
劇的に変わりましたよね。

これなら恥ずかしくないので、堂々と使用することができます。

しかも著作権を気にすることなく使用できます。

実際、これだけの画像をプロのイラストレーターに作成してもらおうと思ったらいくらかかると思いますか。

ざっと見積もっても、最低でも15万円、手法によっては30万円〜50万円以上の市場価値があります。

「えっ、たかが画像1枚で?」と思われるかもしれません。

しかし、プロの視点で冷静に分析すると、それだけの理由があるのです。

まず、この画像は単なるイラストではなく、写真と見紛うほどの「フォトリアル(写実的)」なクオリティです。

人物3名の自然な表情、ロボットの金属的な質感、そして空間に浮かぶホログラムの複雑な光の反射……。

これらをプロのクリエイターがイチから描こうとすれば、高度な技術とセンス、そして数週間の作業時間を要します。

もし、これを広告用の3DCG(3次元グラフィックス)として制作会社に発注したとしたらどうでしょう。

ロボットのデザインとモデリング、人物の配置、ライティングの計算だけで、数十万円が飛ぶレベルの大仕事です。

それが、失敗しないプロンプトだけで出力されるのですから、使わない手はありません。 ChatGPT Plusに加入しても月に3000円~4000円の出費で済みます。

そして、私が失敗に失敗を重ねながら作り上げた最強のプロンプトを使用すれば、どんな画像も出力できます。

余裕で経費を削減でき、業務効率も上がります。

Gemini (旧Bard)を使ってプロ並みのイラストを作成する

こちらも手順はシンプルです。

Geminiを開き、チャット欄で「画像を作成」を選択(または直接指示)し、以下のように入力します。

「ブログ記事のアイキャッチ画像を作ってください。テーマは『AIによる業務効率化』です。」

実際に出力された画像がこちらです。

Geminiで単純なプロンプトにより生成したイラスト

おっと、ChatGPTとは違って、単純な指示でも結構リアルな画像が出力されました。

これでも全然使うことができますが、さらにプロのイラストレーターの作品に近づけるためには、やはりプロンプトを強化していくことは欠かせません。

強化版のプロンプトを掲載します。

📋 コピペ用プロンプトの型

プロフェッショナルな写真,
近未来のオフィス,
ビジネスマンとAIロボットが真剣に議論している,
自然なスナップショット,
カメラを意識していない,
没入感,
空中に浮かぶ詳細なホログラムデータ,
窓からの温かい自然光と室内の青いテックライトの対比,
ボリュメトリックライティング(光の筋),
非常に詳細,
8k解像度,
傑作

上記のプロンプトで実際に作成された画像がこちらです。

Geminiで単語区切りのプロンプトを使用して生成したフォトリアルな画像

先ほどのChatGPTとは違って、今度は必要な情報を単語単位でカンマ区切りで指示を与えていくというポイントです。

どうして、Geminiの場合は、単語単位の指示の方がいいのでしょうか。

これはGeminiの特性がChatGPTとは違っているからです。

インスタグラムの「ハッシュタグ」をイメージしてください。

検索するとき、「海でバーベキューをして楽しんでいる写真」と文章で打つよりも、「#海, #バーベキュー, #楽しい」と単語で並べたほうが、より的確にAIに伝わります。

プロンプトにおける「,(カンマ)」は、AIに対して「はい、次の指示にいきますよ!」という合図の役割を果たしています。

そして、先ほどのプロンプトは、実は適当に単語を並べているのではなく、以下の4つの順番で並べています。

この型に当てはめるだけで、誰でもプロ級の指示が出せます。

【①画風】→【②場所・主役】→【③行動・状況】→【④クオリティの呪文】

実際のプロンプトを見てみましょう。

① 画風(まずはどんなタッチか宣言する)
 ・プロフェッショナルな写真

② 場所・主役(どこで、誰が?)
 ・近未来のオフィス, ビジネスマンとロボット

③ 行動・状況(何をしている?)
 ・真剣に議論している, 空中に浮かぶホログラムデータ

④ クオリティの呪文(ここが一番重要!)
 ・自然光とテック光の対比, ボリュメトリックライティング(光の筋), 8k解像度

難しく考える必要はありません。料理の注文のように、欲しい要素をポンポンと置いていくだけです。

  • 悪い例(文章): 「近未来のオフィスで、ビジネスマンたちがロボットと一緒に会議をしていて、窓からは光が入ってきて、とてもきれいな写真にしてください。」 → AIが「どこを強調すればいいの?」と迷ってしまいます。
  • 良い例(単語区切り): 「近未来のオフィス, ビジネスマンとロボット, 会議中, 窓からの光, 非常にきれいな写真」 → AIが「オフィス!ロボット!光!OK!」と迷わずに描いてくれます。

Gemini(旧Bard)の場合、最初の簡単な指示でもかなり写実的で高品質な画像が出力されます。直感的な操作感はChatGPT以上かもしれません。

そのため、「まずは手軽にリアルな画像を作りたい」という方には、Geminiの使用を強くオススメします。

Geminiは無料版でも高性能ですが、実務で枚数制限を気にせず最新モデルを使いたい場合は、Gemini Advanced(Google One AI Premium / 月額2,900円)への加入を検討しても良いでしょう。

私も契約していますが、業務効率の向上を考えれば十分元が取れています。

指示出しの黄金フォーマット(スタイル・被写体・構図)

AIに指示を出すときは、料理の注文と同じで「具体的」である必要があります。

  • スタイル(画風):「水彩画風」「3Dレンダリング」「アニメ調」「手書きスケッチ風」など、ここを指定しないとAIが迷走します。
  • 被写体:誰が、何をしているか。
  • 構図・アングル:「クローズアップ」なのか「俯瞰(上から)」なのか。

特にビジネスで使いやすいのは「アイソメトリック(斜め上からの図)」「フラットデザイン」です。

これらを指定すると、Webサイトに馴染みやすい清潔感のあるイラストが生成されますよ。

失敗談から学ぶ修正テクニック

失敗談から学ぶ修正テクニック

正直に告白しますと、私も最初は失敗の連続でした。

そのときは、一度出力した画像をダウンロードし、別のチャットに貼り付けて分析してもらいます。

そして、実際はどのような画像にしたいのかを伝えて、必要なプロンプトを出してもらいます。

このとき、自分が使用したプロンプトも一緒にAIに伝えるとさらにいいものにしてプロンプトを返してくれます。

ただ、Geminiの場合だとそのまま同じ画像を出力してしまうことが多いので、必ず「テキストで返答してください」と入れるのがいいです。

それでもダメな場合は、「画像生成機能が自動で機能しているので停止して、テキストで返してください」とすればうまくいきます。

大切なのは、はじめから100%の完成を求めずに、最初は70点ぐらいのものを出して、それをブラッシュアップしていくことです。

画像生成において大切なのは、『AIへの指示出し力』が9割を占めるということです。

【Q&A】生成AIのイラスト作成に関するよくある質問

【Q&A】生成AIのイラスト作成に関するよくある質問

最後に、セミナーなどでよく聞かれる質問をまとめました。

導入前の不安を解消しておきましょう。

Q. 無料のスマホアプリでも高品質な画像は作れますか?

A. 作成自体は可能ですが、ビジネス品質となるとPC版の有料ツールに軍配が上がります。

無料アプリは広告が入ったり、解像度が低かったりすることが多いです。

スマホで手軽に試すなら、Microsoftの「Designer」アプリ(DALL-E 3搭載)が無料で高品質なのでおすすめです。

Q. 生成した画像をそのまま会社のHPに使って問題ないですか?

A. 著作権侵害のリスクがないプロンプトで生成し、商用利用可のツールを使っていれば基本的には問題ありません。

ただし、生成AI特有の「違和感(崩れた部分)」が残っているとブランドイメージを損なうため、必ず人間の目でチェックし、必要であればPhotoshopやCanvaで微調整することをお勧めします。

Q. 特定の画風(アニメ風・実写風)を固定することは可能ですか?

A. 可能です。

Midjourneyなどは「Seed値」というパラメータを使うことで画風を固定しやすいです。

ChatGPTの場合は、気に入った画像のプロンプトを分析させ(「この画像の画風を詳細に言語化して」と頼む)、それを次のプロンプトの枕詞として使うことで、トンマナ(トーン&マナー)を揃えることができます。

まとめ:生成AIイラストの要点

生成AIによるイラスト作成は、もはや「魔法」ではなく、誰もが使える「文房具」のようなものです。

  • ビジネス利用なら、著作権リスクの低いAdobe Fireflyや手軽なChatGPT (DALL-E 3)がおすすめ。
  • プロンプトは「画風」「被写体」「構図」を明確に伝えることが成功の鍵。
  • 一発で完璧を目指さず、必要なところを修正していき仕上げるのがプロのやり方。

まずは、「自社の会議資料の挿絵」のような、リスクの低いところから置き換えてみてください。

そのスピード感に、きっと驚くはずです。

ABOUT ME
LON | AI Work Hacker
LON | AI Work Hacker
非エンジニア実装家 / AI業務委託
「コードは書かない。AIを操る。」

普段は業務委託のプロとして、AI企業のLINE運用や自動化システム構築を担当。

エンジニア経験ゼロから、AIだけを武器にツールを自作する「実務ハック」を研究中。
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